『The Efficacy and Safety of Ramucirumab Plus Docetaxel in Older Patients With Advanced Non-Small Cell Lung Cancer』(Thorac Cancer 2020;11:1559)より
医療情報サイト『Oncology Tribune』に論文レビューを寄稿しました。
キュート先生の視点
論文レビューに選んだのはThoracic Cancer誌から、聖マリアンナ医科大学、聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院、松阪市民病院の3病院で行われた非小細胞肺がんに対するドセタキセル+ラムシルマブ療法(通称「ドセラム」療法)の高齢患者での有効性や安全性について評価した報告です。
近年、肺がん治療でも高齢者が増えてきており、肺がんの病期や全身状態はもちろんのこと、併存症や認知機能の状態、社会的な問題などからガイドライン通りの治療が難しいことがあります。多くの臨床試験で高齢者は少数例であり、併存症があるような場合には試験から除外されていることもあるため、実臨床で高齢者の肺がん治療選択に際し頭を悩ますケースが増えていると実感しています。
一次予防としてペグフィルグラスチムを使用した95例ではPFS中央値が4.79カ月、OS中央値が12.64カ月と良好であり、当初から発熱性好中球減少症の対策を立てておくことが有効性にも関連している可能性が示唆されます。
特に予備能力がない高齢者ではG-CSFの予防投与が重要であると考えれますし、一次予防投与が有効性や予後にも関係するとなると、実臨床においてペグフィルグラスチムを使用しない手はありません。
詳細は『Oncology Tribune』に図表と共に掲載されています。