医療情報サイト『Medical Tribune』『Oncology Tribune』に「新型コロナウイルス×がん診療」のテーマで寄稿しました。
肺がん診療の専門家として、新型コロナウイルスパンデミック下でのがん診療において
- がん治療への影響と課題
- 臨床での働き方の変化
- 今後の第二波対策
の3つの話題に分けて一緒に考えていきたいと思います。本稿では「臨床での働き方の変化」についてお話を進めていきます。
臨床での働き方の変化
■医療者の立場から
COVID-19は長い人類の歴史の中で、わたくしたちが初めて対峙するウイルスです。まだこの世に現れてから数カ月しかたっておらず、この新しい敵の診療に長けた医師やエビデンスを豊富に持ち合わせている医療機関は存在しません。
現在、多くの治療薬の候補が臨床試験で確認中であり、また全世界でワクチン開発がなされている最中ですが、残念ながら現時点で劇的に効果を示した治療薬の報告はありません。
このような状況の中、アフターコロナ、ポストコロナ、ウィズコロナなどさまざまな言葉が飛び交っておりますが、全ての社会生活において「プラス感染対策」の考えを入れた『新しい生活様式』の実践が推奨されています。それはわれわれ、COVID-19の診療に携わっている医療者においても同じことです。
■患者さんの立場から
がん患者さんには新型コロナウイルス感染のリスクを十分理解してがん治療を受ける必要があります。われわれ医療者側は、対面の診療でもオンラインや電話診療においても可能な限り十分な感染対策を講じるので、ぜひがん患者さんにも「プラス感染対策」の意識をもって治療に当たっていただきたいと思います。特別なことは必要ありません。必要のない外出はしない、「3密」は避ける、手指消毒、咳エチケットなどなど、おそらく今行っているであろう感染対策を今後も引き続き行っていただくことが大事になります。
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詳細は『Medical Tribune』『Oncology Tribune』に掲載されています。