日本医科大学武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣範之先生の『ダイヤモンドオンライン』の記事を4回にわたって紹介します。今回は2回目になります。
勝俣先生は国立がんセンター中央病院内科レジデントから同病院の薬物療法室長などを経て現職に就かれている抗がん剤治療のパイオニアとして御高名な先生です。
先日も『最高のがん治療』という、がん診療に携わる医療者やがんを患った患者さん向けの科学的根拠に基づいたがんの書籍を出版され、いつも勉強させて頂いております。
怪しいがん情報に惑わされるな
『最高のがん治療』の中で6つのポイントについて挙げられています。
- 保険のきかない高額治療
- どのがんにも効きます
- 免疫力アップ
- 個人の経験談
- 細胞実験レベルのデータ
- がん予防効果があっても治療効果があるわけではない
それぞれよく冷静に考えれば騙されるはずのないうたい文句でしたり、データだったりするはずなのですが、がん治療の真っただ中ですと、冷静かつゆったり時間をかけて判断することができず、このような怪しい情報に惑わされてしまう患者さんが実臨床でもいらっしゃることは確かです。コラムを読んで頂ければその詳細が分かります。
これは新型コロナウイルス感染症にも言えることですが、「この薬が効いた」「うがい薬がいい」「これを首からぶら下げると予防効果がある」と全く根拠がない、あるいは乏しいデータから、著名人をはじめインフルエンサーが拡散すると、それが瞬く間に地球の裏側まで広がってしまうことも問題です。がん治療や予防に関しても同じことです。
このコラムを通して、そして勝俣先生の著書『最高のがん治療』を通して、正しい医療情報が広まり、がん患者さんが不利益を被ることなく治療に専念できますよう心から願っています。