書評
肺がんの薬物療法はこの10年で大きく進歩しています。多くの分子標的薬や免疫治療が開発され、ケモコンボと言われるような複合免疫療法が一般的に使用できるようになり、患者さんごとに最善の治療法を選択することになります。
逆にこの10年で治療法が多岐に渡り、1年前のエビデンスが古くなるような時代となり、日々肺がんの勉強をしている専門家ですら頭を悩ますケースが少なくありません。
特に肺がん診療を始めたばかりの若い医師をはじめ、がん診療に携わる多くに医療者にとって、本書はコンパクトに整理されたレジメン集として重宝するものと考えます。しかも最先端の治療を提供する「がん研有明病院」の実臨床でのプラクティスとして本書は日々の診療に役立つものと思います。
栁谷典子 長谷川司 網野喜彬 植松慎矢『肺癌薬物療法レジメン』中外医学社
各レジメンごとに「投与スケジュール」「開始/中止基準」「効果とその元になったエビデンス」「毒性マネジメントのコツ」「治療開始前の準備」「注意点」などなどが専門家の先生の視点で記載されており、肺がんの薬物治療の一助になります。
肺がん診療に関わる全ての人に手に取って欲しい1冊として『肺癌勉強会』でも紹介致しました。
最後に・・・「長谷川司先生!元気にしていますか?」