『Updated Overall Survival and PD-L1 Subgroup Analysis of Patients With Extensive-Stage Small-Cell Lung Cancer Treated With Atezolizumab, Carboplatin, and Etoposide (IMpower133)』(JCO 2021, published on Jan 13, 2021)より
まとめ
- 進展型小細胞肺がんの1次治療としてのアテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド療法は全生存期間が12.3カ月で、その効果はPD-L1発現率には寄らない。
要約
〇『IMpower133試験』は進展型小細胞肺がんに対し、カルボプラチン+エトポシド療法にアテゾリズマブの追加効果を見た無作為化二重盲検第I/III相試験で、全生存と無増悪生存の有意な改善を認めた。
〇更新された全生存や増悪パターン、安全性や探索的バイオマーカーとしてPD-L1や血液ベースのTMBについて報告する。
〇アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド群に201例、プラセボ+カルボプラチン+エトポシド群に202例登録された。
〇フォローアップ期間の中央値は22.9カ月で302例の死亡イベントを認めた。
〇全生存期間の中央値は
-アテゾリズマブ+カルボプラチン+エトポシド群 12.3カ月
-プラセボ+カルボプラチン+エトポシド群 10.3カ月
であり、ハザード比 0.76、95%CI:0.60-0.95、p=0.0154だった。
〇18カ月時点でそれぞれ34.0%、21.0%が生存していた。
〇PD-L1発現率、TMBの状態に関わらずアテゾリズマブの追加効果を認めた。
キュート先生の視点
進展型小細胞肺がんの1次治療としても今までのプラチナ併用化学療法に免疫治療を追加する複合免疫療法が実際に行われています。
併用する免疫療法としては抗PD-L1抗体のアテゾリズマブとデュルバルマブがあります。データではぺムブロリズマブを追加した『KEYNOTE604試験』という結果もあります
プラチナ製剤としてシスプラチンも使用可能なのがデュルバルマブであるとか、生存曲線のカタチがどちらがイイとか、様々な意見が昨年も飛び交っておりましたが・・・結局のところ決め手に欠けるような印象を持っています。
小細胞肺がんですので抗がん剤を上手に使いきることが大事かと個人的には思っっています。
またどこかで「小細胞肺がん治療まとめ」も勉強していきます。