2022年度も1か月が過ぎました。
今年初めて医師や看護師になって医療現場に立った皆さまも少し慣れましたでしょうか?
呼吸器科をローテートしている先生方も専門研修で忙しい毎日を過ごしているのではないでしょうか?
呼吸器内科は肺がんに代表される悪性疾患、COPD・喘息などの気道の疾患、細菌性肺炎や肺結核のほかに、この2年間は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)などの感染性疾患、急性期の呼吸器管理や慢性呼吸不全など幅広い分野の診療にあたっています。
わたくしは10年以上研修医や呼吸器内科を志す若い先生方を指導してきました。呼吸器科の短い研修期間で全ての疾患や病態を経験できるわけではありません。ただし研修をより深く有意義に過ごすことができるよう、今回、呼吸器専門医/指導医のわたくしから、ぜひ多くの人におススメできる呼吸器関連の書籍を4冊に絞ってお伝えしたいと思います。
1.倉原 優 『ポケット呼吸器診療 2022』 シーニュ社
2.中島 啓 『レジデントのための呼吸器診療最適解』 医学書院
3.山本 信之 他『肺癌診療 虎の巻』 クリニコ出版
4.長尾 大志『やさしイイ胸部画像教室 第2版』 日本医事新報社
白衣のポケットに入れておくべし呼吸器マニュアル集!
1. 倉原 優 『ポケット呼吸器診療 2022』 シーニュ社
ブログ「呼吸器内科医」の管理者で近畿中央呼吸器センターの倉原優先生が2015年から毎年更新するポケットサイズの呼吸器マニュアル本。
最新の薬剤や知見が常にアップデートされ、多くのベテラン呼吸器内科医も携帯しています。呼吸器科ローテート中に困ったことがあれば概ね本書の中に書かれています。倉原先生は多くの呼吸器関連の教科書を執筆されておりますが、「ポケット呼吸器診療」シリーズは値段も良心的。白衣に入るサイズでホントお得ですので、全ての内科医が買うべき医学書です。
ちなみにわたくしも毎年購入しています。
呼吸器診療のキホンのキ!
2. 中島 啓 『レジデントのための呼吸器診療最適解』 医学書院
亀田総合病院 呼吸器内科部長の中島啓先生が、お一人で執筆された呼吸器診療の基本がまとめられた1冊。初学者にも分かりやすく解説された本書は、具体的な呼吸器患者さんの診療ベースに書かれており、呼吸器の知識や診療の流れが頭にすんなり入ってきます。呼吸器科研修の間に必ず通読したいおススメの教科書です。
当院のレジデントにも読んでもらっています。
肺がん診療の知識の整理に
3. 山本 信之 他『肺癌診療 虎の巻』 クリニコ出版
WJOG(西日本がん研究機構)臨床研究グループがまとめられたポケットサイズのマニュアル本。肺がん診療は年々進化していてなかなかそのすべてを追いかけて勉強していくことが難しくなっています。呼吸器内科では多くの肺がん症例を診療しますが、病態や治療、診療の進め方など最新の情報を盛り込まれており、日常の肺癌診療の指針として役立つ1冊にまとまっています。
多くのマニュアル本がありますが1冊選ぶならこれ。
肺の画像を読む前に
4. 長尾 大志『やさしイイ胸部画像教室 第2版』 日本医事新報社
島根大学医学部の長尾大志先生が執筆された「やさしイイ」シリーズの画像編。「やさしイイ呼吸器教室」も秀逸なのですが、胸部画像教室もこれまた分かりやすい。X線やCTの画像の成り立ちから分かりやすく解説されており、若い先生からベテランの先生までぜひ一読したい肺の画像本。
余力があれば100症例をまとめた「実践編」もありますので是非チャレンジしてみて欲しいと思います。
呼吸器関連の書籍は数多く出版されており、とても勉強になり紹介したい本は山のようにあるのですが、ここでは若い先生にもぜひ手に取って欲しい4冊に厳選しました。呼吸器科の研修がより実りのある時間になりますように。
日本鋼管病院 呼吸器内科部長
田中 希宇人(キュート先生)