キュート先生の『肺癌勉強会』

肺癌に関連するニュースや研究結果、日常臨床の実際などわかりやすく紹介

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

肺がんにニボルマブ+イピリムマブ併用療法が適応追加

非小細胞肺がん治療にイピニボ 11月27日に非小細胞肺がんの治療に ①ニボルマブ+イピリムマブ併用療法 ②ニボルマブ+イピリムマブ+プラチナ併用化学療法 ③ニボルマブ+プラチナ併用化学療法 の3種類の治療法が適応追加となりました。 ①③の治療法については『Che…

全がん種 10年生存率 58%(国立がん研究センターの報告より)

国立がん研究センターは全国がんセンター協議会と協力し、加盟32施設の診断治療症例について部位別に「5年生存率」「10年生存率」を集計し一般公開しました。 今回の公表のポイントは -部位別5年生存率について、2010年から2012年に診断治療を行った148,226…

知ってる?タバコに隠された9つの秘密

タバコに隠された9つの秘密 『新型タバコの本当のリスク』の著者であり、多くの学会でタバコ対策専門委員の1人である大阪国際がんセンター 田淵貴大先生に教えて頂きました。 紙巻きタバコには、タバコが吸いやすくなるような、依存性が自然に高められるよう…

【CodeBreak100】KRAS G12C変異を標的としたソトラシブ

『KRAS G12C Inhibition with Sotorasib in Advanced Solid Tumors』(NEJM 2020;383:1207)より まとめ KRAS G12C変異を標的としたソトラシブはグレード3/4の有害事象を11.6%が報告されたが、肺がんで32.2%、大腸がんで7.1%の奏効率を認めた。 要約 〇KRAS…

【書評・執筆】看護技術~コロナ禍のがん診療の現場で何が起きているか~

執筆しました メジカルフレンド社の『看護技術 2020年12月号』に「コロナ禍のがん診療の現場で何が起きているか」の題名で執筆いたしました。 内容は詳しくお伝えできませんが・・・ COVID-19流行下でがん診療の現場で起きている問題について、患者さんの立…

【CROWN】未治療ALK陽性肺がんに対するロルラチニブは良好な無増悪生存と頭蓋内病変への圧倒的な効果

『First-Line Lorlatinib or Crizotinib in Advanced ALK-Positive Lung Cancer』(NEJM 202;383:2018)より まとめ 未治療ALK陽性非小細胞肺がんでロルラチニブはクリゾチニブに比べ良好な無増悪生存期間と高い頭蓋内病変への効果を示した。 要約 〇ALKに対…

【書評】肺がん診療 虎の巻-WJOG肺がんグループのプラクティス-

書評 『肺癌診療 虎の巻』 西日本がん研究機構WJOGから肺がん診療における実際の臨床でのプラクティス本として出版されました。 監修者である山本信之先生をはじめ、編集者・執筆者を見て頂ければわかる通り、現在の日本の肺がん診療を牽引する先生方が数多…

『肺癌診療ガイドライン』改訂

『肺癌診療ガイドライン 2020年版 悪性胸膜中皮腫・胸腺腫瘍含む』改訂 11月13日に肺癌学会にあわせて『肺癌診療ガイドライン』が改訂されました。 主な改訂ポイントとしましては ■新しいドライバー変異に「MET」が追加 ■「ニボルマブ+イピリムマブ併用療法…

知らなかった!L858R変異は独立した脳転移のリスク因子

『Survival outcomes and symptomatic central nervous system (CNS) metastasis in EGFR-mutant advanced non-small cell lung cancer without baseline CNS metastasis: Osimertinib vs. first-generation EGFR tyrosine kinase inhibitors』(Lung Cancer…

第61回 日本肺癌学会学術集会 閉幕

第61回 日本肺癌学会学術集会 閉幕 先週11月12日~14日までの3日間、岡山で行われていた『日本肺癌学会学術集会』が無事閉幕致しました。 既治療非小細胞肺がんでのナブパクリタキセルのドセタキセルとの非劣性を示した『J-AXEL試験』、ニボルマブとイピリム…

学会参加費の元を取れるか!『第61回 日本肺癌学会学術集会』開幕!

『第61回 日本肺癌学会学術集会』開幕! 本日から3日間、岡山にて『第61回 日本肺癌学会学術集会』が開催されます。 現地とオンラインでのハイブリッド開催ですので、忙しい日常診療の合間でも、岡山が遠くても参加できる可能性がありますし、オンデマンドで…

「#JLCS20」ハッシュタグ発信 第61回 日本肺癌学会学術集会@岡山

肺癌学会 ハッシュタグ発信「#JLCS20」 2020年11月12日(木)~14日(土)まで岡山にて『第61回 日本肺癌学会学術集会-肺癌撲滅を目指して2020-』が開催されます。 会長は岡山大の木浦勝行先生です。 昨年も勝手に行わせて頂きましたが「ハッシュタグ発信」…

【JCOG1205/1206】完全切除の神経内分泌肺がんに対する術後イリノテカン+シスプラチンはエトポシド+シスプラチンを超えられず

『Randomized Phase III Study of Irinotecan Plus Cisplatin Versus Etoposide Plus Cisplatin for Completely Resected High-Grade Neuroendocrine Carcinoma of the Lung: JCOG1205/1206』(JCO 2020, published on Nov. 2)より まとめ 完全切除ステージ…

【書評】ホスピタリスト ~ホスピタリストのための画像診断①胸部・縦隔編~

書評 東大病院放射線科 前田恵理子先生が編集された『ホスピタリスト 画像診断①胸部・縦隔編』を紹介したいと思います。 呼吸器内科医はほぼ毎日胸部X線やCTを見て肺がん、肺炎、呼吸不全など多くの呼吸器疾患の患者さんの診療に当たっています。 わたくし達…

【Medical Tribune動画】第61回 日本肺癌学会の注目ポイントは?

医療情報サイト『Medical Tribune』に来週岡山で行われる「第61回 日本肺癌学会学術集会」での見どころについてコメント動画をアップしました。 肺癌学会の注目演題4選 3日間の会期中に行われる演題から4演題をピックアップしました。 プレナリーセッション…

【Medical Tribune連載 第34回】免疫チェックポイント阻害薬による治療関連肺臓炎の予測に好酸球は使えるか

『Association of baseline peripheral-blood eosinophil count with immune checkpoint inhibitor-related pneumonitis and clinical outcomes in patients with non-small cell lung cancer receiving immune checkpoint inhibitors』(Lung Cancer 2020;1…

まぢっ?免疫治療って副作用が起こった方が効果が高いの?

『Multisystem Immune-Related Adverse Events Associated With ImmuneCheckpoint Inhibitors for Treatment of Non–Small Cell Lung Cancer』(JAMA Oncol 2020, Published Oct. 29)より まとめ 免疫関連有害事象を認めた群が有害事象がなかった群に比べて…