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【イシヤク】医師向け薬剤比較アプリ『イシヤク』 3つの魅力

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今日は日常診療で使う薬剤のアプリの紹介です。

医師向け薬剤比較アプリ『イシヤク』は、

忙しい外来の合間でもパッと薬剤を比較できる点が特徴の薬剤検索ツールです。

全ての機能が完全無料です。

わたくしもこのアプリをスマホに搭載して日常診療で活用しているのですが、このたび『イシヤク』内の呼吸器領域、特に肺がんに関連する薬剤の「専門医コメント」に協力しました。

今回は『イシヤク』の3つの魅力についてご紹介したいと思います。

1.簡単な薬剤検索機能

日常診療で使う薬の検索アプリで最も重要なのことは、検索が簡便で容易であることでしょう。『イシヤク』では薬の頭文字を入力するだけで、薬剤が拾えます。薬剤は最新の薬剤までカバーされており、冒頭には薬の薬剤名・一般名のほかに薬価や実際の薬の写真まで掲載されています。

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外来でも患者さんから薬の値段や、薬の色や形など「あの赤いクスリ」とか「星型のクスリ」とか「緑の液体」とか聞かれて困った経験のある先生方は多いのではないでしょうか。わたくしもそうですが、医師は実際の薬を目にする機会が少ないですよね。薬価や薬の実物写真が冒頭に分かりやすく掲載されていることは大変心強いです。

また薬剤「比較」アプリの特長を活かし、同効薬が即時に検索されることは、特に自分が専門にしない薬剤の選択を迫られる時に、忙しい外来診療でも助かる場面が多いです。

そして使用頻度の高い薬剤は「★」マークにチェックを入れることで、「お気に入り」に保存することができます。数多くの薬剤の中から自分用に「イシヤク」アプリをカスタマイズして活用してみることをおススメします。

 

例えば、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに処方する頻度の高い「タグリッソ(オシメルチニブ)」 という薬を検索してみましょう。「たぐり」と入力しますと「タグリッソ 40mg錠」と「タグリッソ 80mg錠」が検索されます。薬の薬価や実際の写真がすぐに目に入ってきます。またタグリッソは「EGFR阻害薬」というくくりの薬剤ですが、同系統の薬剤であるイレッサ、タルセバ、ジオトリフ、ビジンプロが並んで検索される機能もとても助かります。本アプリの特長である「比較」機能がさらに表にまとまったり、疾患別に検索できたりすれば、さらに有用なアプリになること間違いなしです。

 

研修医の先生からは、

「私たち研修医はほとんどの薬が初めて目にするモノばかりです。病棟で仕事をしながら、アプリで薬が簡単に調べられること、同効薬が即座に分かることは大変助かります。先日承認されたばかりの薬剤も載っていて、そのアップデート力がすさまじい。」

とのコメントをもらっています。

 

2.特徴のまとめが箇条書きで読みやすい

この『イシヤク』アプリを実臨床の現場で使っていて気付くのが「見やすい」ことです。各薬剤には薬の添付文書にあるような、用法・用量や禁忌項目など詳しい情報も掲載されているのですが、何と言っても「特徴のまとめ」が冒頭に載っていて助かります。忙しい外来の合間、時間のない診療の合間にパッと薬の特徴を調べられる「まとめ」は分かりやすく助かります。「まとめ」の中には、臨床の現場で特に知りたい副作用の頻度や腎機能に応じた用量調節についても見開きで書かれていることもありがたいポイントです。

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肺がん領域でも使用頻度の高い「キイトルーダ(ペムブロリズマブ)」という免疫チェックポイント阻害薬を検索してみましょう。キイトルーダの「特徴」の欄には、

 

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との記載があります。

薬の詳細や、主に適応となる疾患名や活用される場面、副作用や腎機能に応じた用量調節の必要性がまとめられています。肺がん以外にも悪性黒色腫(メラノーマ)や尿路上皮がんに対する適応があることも分かります。この特徴はスマホの画面をスクロールすることなく、ほとんどが見開き1ページに収まる分量で記載されていることも時間のない医師にとって大きなメリットであると考えています。もちろんスクロールしていくと、同じ免疫チェックポイント阻害薬であるオプジーボやテセントリク、イミフィンジ、ヤーボイといった非小細胞肺がんに適応のある免疫治療薬も簡単に検索することができます。

 

呼吸器をローテートしている3年目の内科専攻医の先生に聞いてみると、

「薬のまとめは本当に助かります。昨今、各診療科の各領域での医療の進歩が目まぐるしく、研修医の時に勉強した治療が既に時代遅れになっている分野もあります。自分がローテートしている分野の情報は専門の先生に聞きやすいですが、診療科が変わってしまうとなかなかそうでもないこともあります。簡潔かつ箇条書きで読みやすいことも、このアプリのイイところと考えます。」

という意見でした。

 

3.実臨床で活躍する専門医のコメント付き

『イシヤク』が他の薬剤検索アプリと比べて最もおススメできる点は、アプリ内のほとんどの薬剤に、実際に臨床の現場で活躍する「専門医」のコメントが掲載されていることです。薬の実際の使用感や、使い分け、注意すべきポイントなどは現場の医師でないと分からないことが多いので、とても参考になります。新規薬剤でも、専門医がどのようなポイントに注目しているかが記載されているので眺めているだけでも面白さがあります。自身の専門外の薬剤にどのようなコメントが書かれているのかも大変ためになるので、お時間のある時に試してみて欲しいと思います。

実際にわたくしも肺がんや呼吸器関連の薬剤のいくつかにコメントを致しました。このアプリを活用するであろう若い先生方や非専門医の先生方のことを考えながら分かりやすいコメントを心がけました。

 

例えばALK融合遺伝子陽性非小細胞肺がんの1次治療で選択することの多いALK阻害薬である「アレセンサ(アレクチニブ)」を見てみましょう。

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初めてアレセンサを処方する若い先生に向けて解説することをイメージして書いています。経験しやすい副作用や注意点。他のALK阻害薬もある中でアレセンサが1次治療で使われる理由。その効果などについて具体的な数字を入れてコメントしました。このコメントは定期的にアップデートされるようですが、わたくしも呼吸器診療に関係する多くの薬剤にコメントしたものですから、場合によってはコメント自体が古くなってしまったり、新しいコメントもあったりするかと思いますので、その際にはアプリを通じてご意見頂ければ幸いです。

 

同僚の呼吸器専門医の先生に、このわたくしの「専門医コメント」を見て頂きましたが、

「キュート先生をはじめ、他の専門医の先生が該当する薬剤に対してどのように実臨床の現場で活用しているかが分かって良い。薬の本には添付文書のような決まった文言が記載されているが、実際の処方感や活用方法、注意点などが臨床で活躍されている先生から直接コメントされていることは斬新で大変役に立つ。」

とのことでした。多くの専門の先生方も自分のコメントを読んで下さっている…とのことで、こちらとしてもとても気が引き締まる思いです。

 

まとめ

わたくしも実際の臨床の現場で使用しており、とても使い勝手が良いので、当院でも若い先生方や呼吸器内科のメンバーのスマホに搭載することをおススメしています。

 

今まで薬のアプリを使用したことがある先生もない先生も、

 

 ①簡単な薬剤検索機能

 ②特徴のまとめが箇条書きで読みやすい

 ③実臨床で活躍する専門医のコメント付き

 

この3つの魅力が備わった薬剤比較アプリ『イシヤク』。一度試してみてはいかがでしょうか?

 

Web版もあり、こちらから見ることができます。

 

わたくしがコメントした「専門医コメント」に対してもご意見があればお待ちしております。