キュート先生の『肺癌勉強会』

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【書評】コロナのせいにしてみよう

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 書評

2020年8月現在、世間は新型コロナウイルスが拡大し、「コロナ禍」で日々恐怖と隣り合わせで生活しています。世界でも多くの方が亡くなるような事態となっており、歴史的なパンデミック下に過ごしています。

 

わたくしも日々病棟、外来で肺がんをはじめ多くの呼吸器疾患を持った患者さんの診療に当たっておりますが、多くの人にとって大きなストレス下に置かれていることは間違いありません。


わたくし、読書が趣味、というか生活の一部なのですが、Amazonを回診している時に内科医の國松先生の本書が目に留まりました。

 

 『コロナのせいにしてみよう』

 

いま生活が不自由なのは「コロナのせいだ」と誰しも思ったことでしょう。そんな新型コロナウイルスに対する見えない不安により、変わってしまった人が居ることも誰しも感じていることでしょう。そんな普段と違ったその人らしくなさのことを

 

 『CIAMS:COVID-19/corona virus induced alterd mental status』(シャムズ)

 

と國松先生は名付けました。正式な病名ではありません。

 

もちろん普段と変わってしまった人を診た場合に、医療者であれば身体的な疾患を考えるべきですが、普段を知っている人からみたら『CIAMS』に気づけるかもしれません。普段のその人らしくなさ、はコロナというストレスで生じた生理的な反応の可能性があります。このコロナ禍になってから、ほとんどすべての方が具合悪い状態が続いています。ある意味、コロナに対する情報を得ているからそうなっているはずです。

 

そんなコロナ禍にある今こそ多くの人に読んで欲しい本書です。力を抜いて読んでみると、「なーんだ、コロナのせいか・・・」と少し落ち着くかもしれません。

 

そして、あなたが調子悪いのは「コロナのせい」かもしれません。