医療情報サイト『Medical Tribune』内での新春企画「私が選んだ医学2020年の3大ニュース」と「2021年医学はこうなる」に寄稿致しました。
本日は「2021年医学はこうなる」について紹介致します。
2021年医学はこうなる
この新型コロナウイルス感染症流行下において明日の状況も読めない現状ですが、呼吸器内科医であるわたくし個人が考える2021年の医療について
- 新型コロナウイルスワクチン
- ぜんそくもCOPDもトリプル
- 加速する肺がんの個別化医療
の3点について挙げさせて頂きました。
1.新型コロナウイルスワクチン
全世界で数多くのSARS-CoV-2に対するワクチン開発や臨床研究が行われ、実際に世界ではワクチン接種が開始されている状況です。
2021年はいち早く有効なワクチンが承認され、感染へのリスクが高い高齢者や基礎疾患のある方、そして医療従事者が優先的にワクチン接種を受けることとなります。
コロナに対する有効なワクチン接種が広く浸透すれば、コロナ禍での医療体制や感染対策の在り方もまた変わってくると思って注目しています。
2.ぜんそくもCOPDもトリプル
現在、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する3剤併用吸入療法、通称トリプル療法として2剤、喘息のトリプル療法として1剤が承認されております。
以前に比べ吸入薬も選択肢が増え治療戦略が複雑化しております。
呼吸器以外の専門の先生には分かりにくいと不評ではありますが、個人的には吸入薬の使い分けやデバイスごとのメリット・デメリット、幾つかの生物学的製剤による治療なども絡めて大変楽しみにしています。
3.加速する肺がんの個別化医療
ドライバー遺伝子変異であるMETに対してテポチニブ、カプマチニブが新しい『肺癌診療ガイドライン2020年版』にも掲載されました。
また免疫治療同士の併用療法、既存のコンビネーション治療やドライバー遺伝子変異に対する治療などと並行して肺がん治療戦略についてさらに頭を悩ませる1年になると考えています。
詳しくは『Medical Tribune』内記事を参照ください。