『Analysis of comorbid factors that increase the COPD assessment test scores』(Respir Res 2014;15:13)より
COPD症例の肺がん合併率は6%
昨日もお伝えしましたが、COPD(慢性閉塞性肺疾患)はタバコに関連する重要な肺の病気のうちの一つです。
COPDは喫煙歴があり肺機能検査による閉塞性換気障害が認められれば概ね診断できます。
タバコが肺がんや消化管のがんに関連することは知られていますが、「COPD」と診断されること自体も肺がんの独立したリスクに挙げられています。
日本におけるCOPD患者は約500万人以上いるのでは、と推定されておりますが、そのうち病院に通院されている方は数十万人と言われておりほんの一握りです。
そんなCOPD症例を慶應COPD併存症リサーチ(K-CCR)グループによる研究でデータが集積され、336例のCOPD症例を調査しました。
その研究では
COPD患者の肺がんの有病率は6%
という結果でした。
その他、高血圧 36%、骨粗しょう症 18%、脂質異常症 17%、冠動脈疾患 13%と続きます。肺がん以外の悪性腫瘍は19%の症例に認められました。
COPDの死因としては呼吸不全、心血管障害に次いで悪性腫瘍が約15%程度を占めますので、喫煙者でせき、たん、息切れなどの呼吸器症状のある症例を見かけたら、是非とも肺機能検査を行って「COPD」を診断して頂ければと思います。