『Estimating lifetime and 10-year risk of lung cancer』(Preventive Medicine Reports 2018;11:125)より
まとめ
- 全くタバコを吸ったことがない人と比べ過去喫煙者、現喫煙者では生涯で肺がんを発症するリスクが上がる。
キュート先生の視点
西スイスの約112万4000人、スイス人口の約13%に当たる人数で行われた研究です。性別や喫煙の状況を推計し、生涯で起こる肺がんの発症リスクがまとめられました。
[図1]から肺がん発症は男女共に年齢が上がれば肺がん発症リスクが上がることが分かります。50-60歳ごろから急峻にグラフが立ち上がってくることが読み取れます。
[図2]では現喫煙者(current smokers)、過去喫煙者(former smokers)、非喫煙者(never smokers)に分けて年齢別に肺がん発症リスクを見たグラフです。喫煙者では40歳ごろから急にグラフが男女ともに上がっていることが分かりますが、非喫煙者ではグラフは平坦でその違いが一目瞭然です。
[図3]では男女別・データ集積した期間別に生涯での肺がん発症リスクを見たグラフです。現喫煙者・過去喫煙者・非喫煙者で生涯の肺がん発症リスクが一目瞭然に違うことが分かります。
考えれば当たり前のデータではありますが、明らかに目で見て分かるグラフに驚きました。多くの意見があるかと思いますが、医療者もそうでない方も、タバコを吸っている方も以前吸っていた方も、全く吸っていない方も、各自で考えて頂ければと思っています。