キュート先生の『肺癌勉強会』

肺癌に関連するニュースや研究結果、日常臨床の実際などわかりやすく紹介

【医師の心得1000】何事も基本に忠実に

 若い研修医の先生方にお伝えしたいことを『#医師の心得1000』というハッシュタグでツイートしています。時々取り上げたいと思っています。

 

キュート先生の経験

今まで大学でも市中病院でも本当に多くの研修医の先生の指導に当たってきて、一緒に勉強しながらここまでやってきました。わたくしも常に内科や呼吸器を中心に医学のことを幅広く勉強し続けてきたつもりですが、時に研修医の先生から教わることもあります。一生学び続ける姿勢が大事な職業だと常々感じます。

 

研修医の先生が、

 

  「中心静脈(CV)の確保がしたい」

 

  「心エコーができるようになりたい」

 

  「胸腔ドレーンを刺してみたい」

 

と思うのは当然のことだと思います。何事も経験ですので、ちゃんとした指導医が居て、そのうえで手技を獲得することは大事。

 

ただ指導医の立場から思うことがあります。

 

  「末梢点滴ができないのに中心静脈はさせられない」

 

  「心電図も読めないのに心エコーなんてさせられない」

 

  「胸腔穿刺も安全にできないのにドレーンなんてもってのほか」

 

と多くの指導医が思っていることです。わたくし以外の指導医からも聞かれる言葉ですし、実際にわたくしも自身の指導医から言われたこともあります。当然のことだと思います。わたくしの知っている指導医はCVを20回見学しないと触れさせない、なんて厳しい指導医もいます。研修終わってしまいますよね。。。

 

CVやドレーンは毎日そのような患者さんがいるわけではありませんが、アンテナを張っていればそこそこ病院内で行われている手技ですし、心エコーなんかは検査室へ行けば毎日行われている検査です。手技や検査の出番が研修医のところに回ってくるかは、運もありますが研修医の先生自身がどれだけ勉強や見学や基礎練習をしているかにもよります。

 

なので、そのチャンスを逃さないように、基本的な採血や点滴、心電図の読解、胸腔穿刺などを繰り返し行ったり見学したりして待ちましょう。決して基本的な手技や検査だといってなおざりにしないようにお願い致します。指導医の先生は研修医の積極的な態度も見ていますよ。