キュート先生の『肺癌勉強会』

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【PICKs】第5のがん治療『ホウ素中性子捕捉療法』が保険適用に

『News Picks』にコメントしました。

第5のがん治療『ホウ素中性子捕捉療法』

ステラメディックス 星 良孝さんの記事。

 

今は研究段階ではあるが、期待できる治療が近い未来にあることは間違いない。この5年で『免疫治療』ががん治療の世界に広がり大きく変革したばかりであるが、このニュースの発表を聞くと医療界も時代の流れの速さを感じる。

 

ホウ素化合物を病巣に送り、同部位に中性子線を当てることで、がんをホウ素との核反応で破壊する『ホウ素中性子捕捉療法(boron neutron capture therapy:BNCT)』。そのBNCTが保険適用となり本邦で世界初の治療が行われた。従来はBNCTでの中性子発生装置は大掛かりな設備が必要であったが、病院内に設置できる小型化も住友重機械工業により実現できているとのこと。


がん細胞のみに発現がみられる『LAT1』というタンパクに着目しこれとホウ素の反応を応用した技術。


さらにナノマシン技術とPETやMRIと併用してがんの診断技術も高められるとのこと。

 

手術、放射線治療、化学療法/抗がん剤、免疫治療に続くこの第5の『BNCT』に今後期待したい。

 

個人的には臨床の仕事をこなしながら肺がんの新しい臨床試験の結果を読み漁り、免疫の勉強をしているだけで時間が全く足りていないのであるが、このような新しい技術や治療に関してはアンテナを常に張り続けたいと思う。

 

このブログ『肺癌勉強会』では、『News Picks』でのコメントや、気になる記事を気の向くままに取り上げたいと思います。