キュート先生の『肺癌勉強会』

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Sensitive Relapseの小細胞肺がんの2次治療ではカルボプラチン+エトポシド再投与は効果的

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『Carboplatin plus etoposide versus topotecan as second-line treatment for patients with sensitive relapsed small-cell lung cancer: an open-label, multicentre, randomised, phase 3 trial』(Lancet Oncol 2020;21:1224)より

まとめ

  • 小細胞肺がんのsensitive relapseの場合の2次治療でカルボプラチン+エトポシド再投与は効果的

要約

〇トポテカンはヨーロッパにおいて小細胞肺がんの2次治療で承認されている薬剤であるが、本研究ではsensitive relapseの小細胞肺がんにおいてカルボプラチン+エトポシドがトポテカンよりも優越性があるかどうか調べた。

〇本研究はオープンラベル、無作為化、第3相試験でフランスの38の病院で行われた。

〇1次治療から90日以上が経過して病勢増悪あるいは進行した、1次治療でプラチナ+エトポシドで奏功した小細胞肺がん症例を登録した。

〇18歳以上、ECOG-PS0-2の症例を適格とし、無作為に1:1で

 -カルボプラチン+エトポシド投与群

 -経口トポテカン投与群

に振り分けられた。

〇主要評価項目はITT集団での中央評価と解析による無増悪生存期間とした。

〇164例、それぞれ82例ずつ登録された。

〇両群とも1例ずつ同意が取れなくなったため、162例をITT群とした。

〇中央値で22.7カ月のフォローアップ期間で、無増悪生存期間は

 -カルボプラチン+エトポシド群 4.7カ月(90%CI:3.9-5.5カ月)

 -経口トポテカン群 2.7カ月(90%CI:2.3-3.2カ月)

で有意に併用療法群が延長した(HR 0.57、90%CI:0.41-0.73、p=0.0041)。

〇頻度の高いグレード3-4の有害事象は

 -好中球減少(併用療法群14% vs トポテカン群22%)

 -血小板減少(31% vs 36%)

 -貧血(25% vs 21%)

 -発熱性好中球減少症(6% vs 11%)

 -無力症(9% vs 10%)

であった。

〇トポテカン群で2例の治療関連死を認め、併用化学療法群では死亡は認めなかった。

キュート先生の視点

現在本邦の進展型小細胞肺がんの1次治療ではカルボプラチン+エトポシド+アテゾリズマブあるいはプラチナ+エトポシド+デュルバルマブの化学療法+抗PD-L1抗体の複合免疫療法が使用可能となっています。また本邦ではシスプラチン+イリノテカンの成績がエトポシドを上回るため、免疫療法を使用しない場合にはイリノテカンを使用することが多くなっております。

2016年の『JCOG0605試験』(Lancet Oncol 2016;17:1147)においても本邦での進展型小細胞肺がんのsensitive relapse症例に対してトポテカンよりもシスプラチン+イリノテカンあるいはエトポシド再投与が効果的との報告があります。

本研究でのプラチナ+エトポシドの1次治療で開始する症例は間質性肺炎を併存している場合や高齢者、PS不良例に限られてしまいますので、実臨床で活かすのは限定的ですが治療選択肢の少ない小細胞肺がんにおいて、再投与が効果的という報告は心強いと感じられました。

今後は複合免疫療法での維持治療中においてsensitive relapseになってしまった場合にどうするか・・・という議論がなされそうですが、それはまた追って勉強したいと思います。