ニトリ製品 自主回収
先日、ニトリの製品に基準値を上回る量のアスベストが含まれており、自主回収を始めた・・・といったニュースを拝見しました。
「アスベスト」と聞いて、おそらくあまり知らない方の多いかと思ったことと、肺がんや胸膜中皮腫と関連しているのでこのブログでも取り上げることとしました。
我が家もニトリ製品が数多くあり、家族でもよく買い物にも行きますので、この事態の正しい報道や情報拡散と、事態の収束を心から願っています。
通常通り使用していればアスベスト飛散の恐れなし
ニトリのホームページにも書かれていますが
通常使用をしている限りは石綿(アスベスト)が飛散する恐れはなく
健康上の問題を生じさせる恐れはありません。
もちろん商品を削ったり、割ったり、破損したりする場合にはその限りではありません。
ただ珪藻土マットは削ってメンテナンスする・・・という使用法もあるようで、今回は事態の詳細が分かるまではそのようなメンテナンスはしない方がよいと考えられます。
呼吸器内科的には石のようなものを削りますと「粉塵(ふんじん)」が発生しますので、粉塵を吸入しますと肺に炎症を起こしたり、長期に曝露しますと肺の線維化も引き起こしますので、無防備に石を削ることはあまり好ましくありません。
アスベストと(石綿)とは
「石綿」とも言い、以前に日本でも断熱材の原材料として使用されていた石の細かい線維のことです
熱や酸/アルカリにも強い特徴があり、昔は日本全土で広く使用されていました。
アスベストに長期に曝露すると「悪性胸膜中皮腫」や「肺がん」発症のリスクとなります。
特に中皮腫とアスベスト曝露は関連が明らかと言われています。
代表的なアスベストは
-クリソタイル(白):石綿の9割を占める
-アモサイト(茶) :断熱材・吹きつけ石綿
-クロシドライト(青):セメント高圧管・吹きつけ石綿
の3種類があります。
日本でのアスベスト対策
アスベストの健康被害が分かってから
1975年 吹きつけ石綿禁止
1995年 青・茶石綿の使用禁止
2004年 石綿の原則使用禁止
といった対策が日本では取られています。
悪性胸膜中皮腫とは
主に胸膜(肺の周り)に発生する「がん」のことで初めは無症状ですが、進行すると息切れや胸の痛みを感じてきます。
何も治療しないと半年から1年で多くの方が亡くなってしまう悪性度の高いがんです。
早期に発見された場合には胸膜や肺を切除する手術療法の適応となり、進行期で診断された場合には化学療法(抗がん剤)による治療がメインとなります。
中皮腫はアスベストを吸入してから20-40年が経過してから発症するのが一般的です。
「アスベストに携わる職業」や「アスベスト工場の近くに住む事」が中皮腫発症のリスクとなり、健診の対象にもなっています。
正しい知識を持って
アスベストを含む製品を使用したからといって急に何か起こるわけではありません。
繰り返しになりますが
商品を通常通り使用をしている限り、アスベストが飛散する恐れはありません。ただし商品を削ったり割ったり破損した場合にアスベストが飛散する恐れがありますので、注意頂ければと思います。
(ニトリ ホームページより)
アスベスト・石綿・悪性胸膜中皮腫などを正しい知識で理解して欲しいと思っています。
ニトリホームページ:https://www.nitori-net.jp/ec/
ニトリ「お詫びと自主回収のお知らせ」:https://www.nitori-net.jp/ecstatic/image/pdf/nitori_oshirase2.pdf
↓上記内容についてインスタグラムにまとめました。
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