「先進医療」とは
海外や国内の基礎研究/臨床研究で効果がある程度認められているものの、国が承認して保険適応にするほど信頼性の高いデータが得られていない治療法 のことです。
厚生労働省が
保険給付の対象とすべきかどうかについて、適正な医療の効率的な提供を図る観点から評価を行うことが必要な療養
と定義しています。
毎年約100種類の「先進医療」が指定されていますが、
そのうち効果が証明され実際に保険適応になった治療法は、
残念ながら1999-2016年の間で
109種類
しかありません。
「先進医療」はなんと全額自費!
しかも「先進医療」は
全額自費
です。
ただし初診・再診料や検査・注射・入院など一般診療となる部分は保険請求できます。
がん保険の中には「先進医療」の費用をカバーするものもありますので、保険を選ぶ際やご自身の保険を見直すときにチェックしてみて下さい。
先進医療を受けたい場合は、自分の病気が先進医療の対象かどうかを確認し、先進医療を行っている指定病院で治療を受けることになります。
じゃあ「標準療法」って何なの?
「標準療法」とは
保険が適用され
最も効果が期待できる
最高の治療法
のこと。
例えばがん領域では、
がんの専門家が勧める保険適用の「標準療法」は全て
臨床試験で良い成績を残したという科学的根拠(エビデンス)に基づいています。
「先進医療」はこれからの臨床試験や研究で「有効」と判定されれば、「標準治療」として認められ、保険適応になります。
「先進医療」は「標準治療」のように、効果や科学的根拠が示されたものではなく、あくまで研究段階の治療であることを理解して下さい。
標準療法以外はまだ効果があるか分からないし保険もきかない
保険適応となっている「標準療法」以外は、
まだ効果があるか証明されていないものも多く、
保険適応がありません。
気を付けた方がいいのは、効果どころか、副作用を証明できるデータもないコトがありますので、注意が必要です。
最高のがん治療とは
以前にもお伝えしていますが、
最高のがん治療は
標準治療
で間違いなしです。
「最新の」治療が「最善の」治療かどうかは分かりません。
しっかり主治医の先生と相談して治療方針を決めることが肝要です。
今までの医療のデータと経験の積み重ねである「標準治療」を否定する医師が
もしいらっしゃいましたら、十分気を付けた方がいいと個人的には考えています。
2021年も年始から大変な状況ですが、がん患者さんは今この時も戦っています。
そんな方々のために、できる限り有用で必要な情報や知識を
お届けできるアカウントでありたいと思っています。
2021.1.6 キュート先生 こと 田中 希宇人
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