『Pemetrexed maintenance with or without pembrolizumab in non-squamous non-small cell lung cancer: A cross-trial comparison of KEYNOTE-189 versus PARAMOUNT, PRONOUNCE, and JVBL』(Lung Cancer 2021;151:25)より
まとめ
- ペメトレキセド5サイクル以上投与できた症例においてぺムブロリズマブを追加することで無増悪生存期間は有意に延長。
要約
〇現在、非扁平上皮非小細胞肺がんにおいては、『KEYNOTE189試験』の結果からプラチナ+ペメトレキセド+ぺムブロリズマブによる複合免疫療法からの維持療法が行われているが、歴史的には『PARAMOUNT試験』『PRONOUNCE試験』『JVBL試験』を参照している。
〇『KEYNOTE189試験』において5サイクル以上ペメトレキセドを投与した
-プラチナ+ペメトレキセド+ぺムブロリズマブ 310例
-プラチナ+ペメトレキセド+プラセボ 135例
を『PARAMOUNT試験』の359例、『PRONOUNCE試験』の98例、『JVBL試験』の29例のプールデータで5サイクル以上ペメトレキセドを投与した計486例を比較した。
〇『KEYNOTE189試験』で5サイクル以上ペメトレキセドと投与された群において、無増悪生存期間は
-プラチナ+ペメトレキセド+ぺムブロリズマブ群 9.3カ月
-プラチナ+ペメトレキセド+プラセボ群 6.6カ月
でHR 0.53、95%CI:0.42-0.68、p<0.0001とぺムブロリズマブを追加した群が有意に延長した。
〇5サイクル以上ペメトレキセドを投与したプール症例群では無増悪生存期間は5.6カ月だった。
〇奏効率は『KEYNOTE189試験』から
-プラチナ+ペメトレキセド+ぺムブロリズマブ群 58.7%
-プラチナ+ペメトレキセド+プラセボ群 28.9%
プール症例群では42.4%だった。
〇グレード3以上の治療関連有害事象は『KEYNOTE189試験』もプールデータも同様であった。
キュート先生の視点
UCLAのGaron先生からの報告です。『PARAMOUNT試験』の結果からペメトレキセド維持療法がガイドラインに掲載された時は画期的!と思っていましたが、今の『KEYNOTE189試験』はそれを上回る恩恵を受けているわけです。
もちろん免疫治療は治療開始前に間質性肺炎や自己免疫疾患の有無をよく検討するわけですが、それさえクリアできればプラチナ併用+免疫療法が標準治療を考えるべきだと思っています。